White-Lips Vocal Collection 3 「ラブ・チェーン」のお話

CD 9曲目「ラブ・チェーン」はリトルウィッチ様のPCゲーム「シュガーコートフリークス」のEDテーマとして制作されました。

「ラブ・チェーン」で検索すると植物のハートカズラがヒットしますが、実は曲名をつける段階ではまったく意識しておらず、愛し合うふたりがつけるネックレス的なものを考えていました。ふたりを繋ぐのは赤い糸ではなく、より強固でしっかりした鎖かなあ、というイメージですね。

後になってそういう植物があることに気づいたのですが、花言葉的にも変ではないので、そっちでもいいかなと思っています(笑)。

専門的な話で恐縮ですが、この曲はスネアドラムにディレイ・エフェクトをかけて左右にふっています。ドラムの「ズン、タン」でいうところの「タン」の音ですね。ドラムに対してこういうエフェクトを使ったのは初めてだったので、曲全体のバランスをとるのに四苦八苦した記憶があります。

通常はスピーカーの中央にドラムを配置して、左右にギターやキーボードを配置することで左右への広がりを出しつつバランスをとるのですが、スネアドラムが左右に広がってしまうとギターやキーボードとごちゃ混ぜになって安定感がなくなってしまうんですね。なのでそれぞれの楽器の音がちゃんと聞こえるように、あーでもない、こーでもないとこねくり回していました。

あ、それとこの曲はVIENNA ENSEMBLE PROというツールを使い始めて、パソコンのメモリ制限から解放された記念すべき曲です。

当時作曲に使用していたパソコンはSONY VAIOのノートパソコンで、最大搭載メモリは2GBでした。そのうち800MBくらいはOSとかアプリケーションで使うので、自由に使えるメモリは1.2GBくらいです。そこにドラムの音色とかギターの音色なんかをロードして曲を作っていたので、いつもメモリが足りなくて苦労していました。

「ラブ・チェーン」も当初はノートパソコンで作っていたのですが、どう頑張ってもメモリが足りないという事態に陥ったため、新しいタワー型のPCを購入したのです。搭載メモリはなんと12GBですよ、12GB。これさえあればガンダムの戦闘力は数倍に跳ね上がる。

新しいパソコンと作曲で使っていたノートパソコンをLANでつなぐ音楽用のツールが前述のVIENNA ENSEMBLE PROというツールです。作業はこれまで通りノートパソコンを使い、楽器の音色は新しいパソコンの12GBのメモリにロードし放題という夢のような環境が整いました。「ラブ・チェーン」は、そんな素晴らしい環境で作った第1号作品ということになります。

歌詞は愛(恋ではない)を知って少しだけ大人になる、そんな内容となっています。

子供らしく生きて 自分の弱さを知って

この部分は物語に対するテーゼでありアンチテーゼでもあります。子供らしく生きてないヒロインが多いですから…。大人になる準備段階として「子供らしく生きること」と「自分の弱さを知ること」が大切であると歌っています。

振り向いてほしくて 愛されたくて egoistic
だけど自分からはどれだけ愛してたの?
解かされてゆく恋の病

そして誰かに愛されたいという気持ちはわかるけど、大切なのは愛すること。「愛し合う」のだから愛されるだけではダメで、愛さなくてはならない。自分はどれだけ相手を愛していた?と自問することで、欲しがるだけの恋の病がとけてゆきます。

改めて語ると恥ずかしいものがありますが、大人になるってこういうことだよ、ひとりで全部抱え込まなくてもいいんだよ、という思いを込めた歌詞です。