CD 3トラック目「やさしい世界を君に」はMEPHISTO様のPCゲーム「天使の羽根を踏まないでっ」のOPテーマとして制作されました。
最初に企画書をいただいた時に異能バトル的な内容だと思って、OPテーマもそっちに寄せた方がいいのかと確認をしたら「違います」とシナリオの説明をしていただいたことを覚えています。
「やさしい世界を君に」という曲名は後付けのものですが、制作初期から「優しさ」「世界」「神」というキーワードが念頭にありました。
ちなみに何故漢字ではなく、ひらがなで「やさしい」なのかというと、単純に文字としての見た目の問題です。「優しい世界を君に」だとパッと見のイメージがちょっと違うんですよ。子供に向けた母親としての「やさしさ」を出したかったので、ひらがなでの表記にしています。
作曲する上で想像しにくい場面や場所がある時は、別のところからもってきて補完するというのはよくやることですが、この歌を作るにあたって持ってきたイメージはバベルの塔とモン・サン=ミシェルでした。といってもシナリオ的なことではなく、あくまで視覚的イメージとしてです。
このゲームは現代の物語ではありますが、舞台はわりと中世ヨーロッパ風で閉鎖的な島、神に関する謎が眠っている…そんなイメージですね。
ただ「神」という存在は登場するがキリスト教的なものではない(つまりバッハに代表されるような教会音楽ではない)という指示をいただいていましたので、作曲にあたってそちらに寄せることはせず、あくまで「優しさ」と「神秘的」というキーワードを意識して制作しました。
歌詞について語ると盛大なネタバレになるので控えますが、OP曲にネタバレをこっそり仕込むのは僕の好きな手法です。ゲームをクリアした方なら「君」が一体誰なのかわかると思います。