White-Lips Vocal Collection 3 – よもやま話

あれから10年…小説だったら「話が飛びすぎだろ!」と読者に突っ込まれても文句の言えない書き出しです。今から10年後なんて遠すぎて想像もつきませんが、10年前となると不思議なもので「ちょっと前」くらいの感覚です。年をとった証拠なのかもしれません。

「ちょっと前に駅前にビルが建ったじゃん?」

「おじさん、10年前はちょっとじゃないよ」

「そうかスマンスマン、はははっ」

みたいな会話を経験したことがある人もたくさんいるかと思います(どちらの立場かはお任せしますが)。

そんなわけで、あれから10年。ようやくWhite-Lips Vocal Collection 3を皆様にお届けできるようになりました。長らくお待たせして申し訳ありませんでした。この記事では、White-Lips Vocal Collection 3の制作に関するお話を少しだけしたいと思います。

何故こんなに期間が空いたのか?

複数の理由が積み重なっていますが、いちばん大きな原因はソフトウェアをアップデートしたことで過去の環境を再現できなくなったことでしょうか。結構こまかく編集したりしてたのですが、アップデートによってその編集データが全部消えてしまいました。もちろん録音した大元のデータは存在しますのでやり直せば良いのですが、すべての楽曲の編集を最初からやり直すにはちょっとした気力と時間が必要でした。

それ以外にも、やろうかな?と思ったタイミングで公私共々トラブルに見舞われることが多く、その解決を優先してたらいつの間にか…という感じです。いやあ、光陰矢の如しとはよく言ったものです。計画性のない問題先送りは何も生み出しませんね。皆様も僕を反面教師にして、問題を先送りする場合はしっかりと計画を立てるようにしてください。

何故今なのか?

令和だからさ…というのは冗談ですが、ミックスなどの勉強を重ねたことで10年前に行った自分の編集が古いものだと感じるようになりました。どうせなら今の技術で最初から作り直したいと思ったのがきっかけです。

また、イベント会場では多くの方から厚い声援と催促をいただいており、やらなきゃいけないなと強く感じるようになりました。ファンの皆様のおかげでこのアルバムが制作されたと言っても過言ではありません。本当にありがとうございます。

実際のところ制作してどう感じたのか?

こう、なんというか、当時の自分は何を考えてこんな処理をしたんだろう?と思わされる箇所が多々ありました。それと同時に、今の自分とは違う感性を感じたり、当時の出来事を思い出したりしていました。

ドラムトラックひとつにしても、今と昔では自分が良いと思うバランスが違います。音色にしても、今の自分だったらこういう音は選ばないな…なんてことを考えながら再構築していきました。

White-Lips Vocal Collection(初代)の頃から音楽の制作環境は大きく変わっています。曲の細かいところを見れば粗も見つかりますが、全体的な音の雰囲気というか方向性は変わっておらず、ああ自分はこういう音を気持ち良いと思うんだな、という所を再確認したように思います。

最後に

非常にお待たせしましたが、今の自分ができる精一杯のちからで制作いたしました。当時録音されたトラックを可能な限り丁寧にミックスしたWhite-Lips Vocal Collection 3を、どうぞよろしくお願いいたします。