White-Lips Vocal Collection 3 「as always」のお話

CD 2トラック目「as always」はサガプラネッツ様のPCゲーム「キサラギGOLD★STAR」の挿入歌として制作されました。

この曲は「ポップで爽やかな雰囲気にしてほしい」という要望を受けて、樋口なりにポップで爽やかな雰囲気に作った曲です。重すぎず、軽すぎずというチカラ加減がちょっと難しかったですが、全体としては割と素直に作れたと思います。

ただ作詞面では結構悩んだ記憶があります。

というのも、この時期は作詞を先に行うという方法で作曲していました。ざっくりと詩で世界を作ってから、それに合わせてメロディーやハーモニーを加えて行くというスタイルです。そのイメージをつかむために図書館に通っていろんな本を読んでいました。こういう時に読む本は神話や民話がメインで、そこからキーワードを拾ってくるなんてことをよくやっていました。

ただ、この時はまったくイメージがわかなくて「難しく考えすぎなのかな。シンプルに考えてみるか」とメモ帳に綴った文章が主人公からヒロインへのラブレターになっていることに気づいて「これだ!」となりました。

“as always” というのは親しい相手との英文の締めに使う定型分の一部で、正式には “as always, sincerely yours” と書きます。

“as always(いつものように)”という言葉からわかる通り、かなり頻繁に手紙のやり取りをしている間柄ということがわかります。そして”sincerely yours”を直訳すると「心からあなたのものです」。遠距離恋愛です。青春ですねぇ。まあ家族同士でも使うようですが。

君の頬を濡らしてく流れ星へと願いかけながら
そっとキスでぬぐった

これまで僕が書く恋愛の歌詞は受け身のものが多かったので、こんな風に相手に(爽やかで)積極的な歌詞というのは珍しいと言えます。もしらばExtra Soundtrackの「if」とか、class wordsの「鏡花水月」とかは積極的ではありますが爽やかではありませんよね(むしろメンヘラ)。

そんなわけで、この曲は「僕もこんな歌詞が書けるようになったんだ」という思い出深い曲でもあります。