まぎらわしいと思った事はないかな?

何の事かわからないって?それもそうだね、順を追って話そう。

焼酎ってあるよね。そう、あのお酒の焼酎。先日軽く飲みに行く機会があって、そのお店にいろんな種類の焼酎があったんだ。詳しい人なら知っていると思うけど、最近はいろんなものを原料にした焼酎があるんだねえ。麦、芋、そば、栗なんてのもあったよ。せっかくだから色んな種類を少しずつ飲もうという事になって、何種類か頼んで味見してみたんだ。それぞれに独特のクセや風味があって面白かったよ。

その中に黒糖の焼酎というのがあってね、いったいどんな味なんだろうってワクワクしてたんだ。ところが香りを嗅いでみて、どこかで飲んだ記憶があるな、と思った。カンの良い人なら気づいたかもしれないけど、そう、「バカルディ」によく似ているんだ。あ、バカルディってのはラム酒の銘柄のひとつだよ。そのときになってようやく気づいたんだ。ラム酒も焼酎も同じように蒸留して作るお酒で、原材料が同じ黒糖ってことは、ほとんど同じものじゃないかって。

「サトウキビを原料にした蒸留酒」といえばラム酒がすぐに思い浮かぶのに、「黒糖の焼酎」と言われて全く別ものを想像してしまう。不思議だよね。

言葉だけじゃわからないって?じゃあ今度ごちそうするよ。

名前が違うだけで同じもの、そういう話は結構あるんだ。例えば、職業柄良く質問されるのは「ダブルドミナントとドッペルドミナントの違いは何?」というのがある。あとはコンピュータで音楽をやってる人に多いんだけどファゴットとバズーンの違いを聞く人も、たまにだけどいる。

君はわかるよね?そう、言語が違うだけなんだ。英語で「ダブルドミナント」のことをドイツ語では「ドッペルドミナント」というし、英語で「バズーン」のことをイタリア語で「ファゴット」という、ただそれだけなんだよ。

これらは音楽に関係した特殊なものだけどね、身近な例だってある。そのひとつが「ビー玉」さ。ビー玉は知ってるよね?ああ、良かった。最近はジェネレーションギャップを感じる事も多くて、知らないって言われたらどうしようかと思ったよ。まあ、どうもしないんだけどね。

ビー玉はビードロの玉ってことでね、実はポルトガル語でガラス玉のことなんだ。あ、もちろん「玉」は日本語だよ。だからビー玉やガラス玉って違うもののように感じるかも知れないけど、言葉の持つニュアンス以外は基本的に同じものってことさ。

なんで英語じゃなくて、わざわざポルトガル語なのかって?そりゃ日本に最初に上陸したヨーロッパ人がポルトガル人だといわれているからだよ。種子島のピストル伝来の話とか有名だよね?

え?知らない?そのくらいは知っておいてくれよ。多分中学校で習ったはずだよ。

ポルトガル語のいくつかは日本語として定着していて、わかりやすい例で言えば花の水やりに使う「じょうろ」や雨の日に着る「カッパ」も元はポルトガル語だと言われている。特に「びいどろ」という言葉は、昔の文学先品にも数多く見つけることができるメジャな言葉だから探してみるといい。

ちょっと話がそれたかな。そんなわけで名前が違うだけで同じものっていうのは結構あるんだよ。コンピュータでも「○○社のCD-ROMドライブは××社のOEMだから中身は同じ」という話があったりするしね。

いちばんスケールがでかいのはキリスト教とユダヤ教、そしてイスラム教の「唯一神」かも知れないね。もっとも、これをまぎらわしいと感じる人は少ないと思うけど。